Live Computing Inc.

BLOG

ブログ

 ホーム    ブログ    デジタルビジネス事例集    自分だけの好みを解析 ワインサブスクリプションFirstleaf
2020.09.23
デジタルビジネス事例集

自分だけの好みを解析 ワインサブスクリプションFirstleaf

味覚を人工知能で解析 firstleaf

アマゾンを長く使っていると、口コミが多かったり、評価が高かったりしても、必ずしも自分にとっていい商品ではなかったりします。評価数が少ないモノにも、よいものはたくさんりますよね。

他人の評価とは一切関係なく、商品特性と自分の好みだけでオススメしてくれるのが、アメリカのワイン・サブスクリプションサービス、Firstleafです。

すべてのワインを化学分析する

Firstleafはまず、自社で扱うすべてのワインを化学分析します。アルコール度数やpH値だけでなく、例えば全体の酸度に加え、グルコン酸・乳酸菌・リンゴ酸の割合などを調べます。そして、ユーザーが飲んだワインへ下す評価を元に、どの化学的特性がその人の好みにあうかを導き出し、オススメワインのリストを一人ひとり、作り上げます。

Every wine we make for the club gets sent out for chemical analysis, where we run a growing panel of tests.  Some are pretty straight forward, like percentage of alcohol and pH value, but we dig layers deeper- testing not just the total level of acidity but the breakdown of the specific composition of components like gluconic vs. lactic vs. malic acid, for example. 

A Dozen Questions with Firstleaf’s head of Data Science, Dr. Matt Martzより

例えば、1リットルあたりxグラム以上のリンゴ酸を好むとわかっていても、乳酸菌が1リットルあたりyグラム以下で、アルコール度数が○から△の範囲、といった前提条件があるかもしれない。どの属性が好みにあうか、というよりも、特性同士の組み合わせがポイントだと言います。

化学特性と好みを紐づけるところに人工知能、正確には機械学習が使われています。

同じワインを好む人同士で、お勧めを混ぜることはしない。

一方、同じワインを好評価した人同士で、他に気に入ったワインを勧めることはしません。例えばAさんとBさんがZというワインを好きだとしても、Aさんが好きなYというワインをBさんにオススメすることはしません。技術用語で言うと、協調フィルタリングはしていない。

協調フィルタリングは同じ好みの人を関連づけるだけで、ワインそのものの特徴をつかんでいるわけではありません。特殊な好みを持つ人ほど、よいものをお勧めできない、という欠点もあります。

あくまでワインの成分と個人の好みのベストマッチを探る。これが彼らのアプローチです。

5段階ではなく、YES・NOで評価する

いろんな要素が絡み合うワインですから、細かく段階をわける評価方法が向いている気はするのですが、Firstleafでワインを評価する時は、YES/NOの二択です。これは、人によって、あるいは同じ人でも、何を「4」と評価するのかがブレるからだそうです。NetflixやSpotifyも同じやり方をしているので、と正直にブログで告白してくれています。

口コミと他人評価は限界にきている

そもそも人が商品を評価するのって、限界があると思いませんか。評価は高くても質が悪かったり、一部の人には高評価でも自分が求めているものと違っていたり。

さらに他人の評価でお勧めする仕組みは、どうしても酷評レビューを生み出してしまう。しかもそのレビューは競合が仕掛けた、逆やらせレビューの可能性まであります。

食のレコメンドを作り替える

Firstleafがワインでやろうとしていることは、食に関わる幅広いビジネスに適用できます。

近いところでは、日本酒など嗜好品の好みを分析し、オススメするECやサブスクリプションビジネス。野菜や肉、魚などの食材を、好みにあわせてお届けするサービスも、応用できるかもしれない。

レストランの評価サイトも、他人のレビューではなく自分がいいと思ったお店を様々な角度で分析し、自分に合った新しいお店を紹介してくれれば、食べログなど既存サービスを一気に追い抜くチャンスも出てきます。

他のお客さんがどう評価するかではなく、自分の好みだけを考えてくれるレコメンド機能。Firstleafのアプローチは、これからの食ビジネスの主流になるかもしれません。

 

参考記事『A Dozen Questions with Firstleaf’s head of Data Science, Dr. Matt Martz』

参考記事『アマゾン「やらせレビュー」の首謀者を直撃、楽天も餌食に

関連記事