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2022.07.20
開発者向けオススメ本

ひらめく瞬間

アイデアとは組み合わせ

アイデアを思いつく瞬間は商品開発のハイライトです。さまざまな業種のひらめく瞬間が、垣間見れる本をご紹介します。

『ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡』前間 孝則 

ホンダジェットは主翼にエンジンをのせるという、タブーとも言われる挑戦をしていました。普通ビジネスジェットはエンジンが胴体の両側にあり、エンジンを支える構造物や電気システムの影響を受け室内が狭い。ホンダは「エンジンを胴体から外して主翼に移すことができれば、機内も広くできて居住性もよくなるのではないか」と発想しました。しかし空力抵抗が増えるなど問題も多い。同じ発想の他メーカーも技術面がクリアできず断念している。

開発リーダーの前間孝則さんは、エンジンの位置を最適なものにすればむしろ空気抵抗は下げられるのではと考えた。その具体的な形をあれこれ考えていたら、ある日、寝る直前にその具体的な形を思いつき、カレンダーの裏にスケッチを描いたエピソードが出てきます。このスケッチを見ると、私は航空機の設計者ではありませんが、商品を生み出そうとする想いにあふれワクワクします。

 

ちなみにホンダジェットの尖ったデザインを、前間さんがハワイで思いついたエピソードもあります。当時の川本社長の判断や最終Goサインを出した福井社長とのやりとりも紹介されます。エンジニアだけでなくデザイナーや経営者の方にもオススメしたい本です。

『転んだら起きればいい!』鬼塚 喜八郎

アシックス創業者の鬼塚 喜八郎さんは、オリンピックの会場でマラソンを走り終えた選手が、みんな足にマメができているのを見て、シューズを開発しようと思い立ちます。しかし素材や形状をいろいろ試してもうまくいかない。

そんなある日タクシーに乗って工場に行く途中、エンジンがオーバーヒートして動かなくなった。そのときの運転手とのやりとりから、シューズにどのような機能を加えれば良いかがわかった、と言います。

 

鬼塚さんは、開発リーダーだけでなく取引先や銀行とシビアにやりとりする創業経営者でもあります。最初の試作品を持っていっても、全ての問屋に断られたそうです。前例のない取り組みでなかなか結果が出ないとき、とても勇気づけられる本です。

『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語 』林 良祐

ウォシュレットの開発チームは、水温を38度に保つ方法が見つからず悩んでいました。家電メーカーに問い合わせても漏電すると断られ、自作で回路を作ろうとするも失敗が続く。そんななか、開発メンバーが雨の日に歩いていたときに見たあるものがきっかけで、この問題をクリアします。

私がこのエピソードが好きなのは、「あきらめずに考えていると、意外なところにヒントがある」ことに気づかせてくれるところです。会社の中でウンウン考えるより、外にでる。いつもの取引先とは違う分野に解決策はあるかもしれない。すぐに解決策に至らなくても探り続けることの大切さを、教えてくれる本です。

『絶望の隣は希望です!』やなせたかし

アンパンマンが売れ始めたとき、作者やなせたかしさんは60歳を超えていたことをご存じでしょうか。

50歳くらいまで失意と絶望の連続だったと言うやなせさん。ある日懐中電灯を自分の冷たい手に当ててみて、やなせさんは血の色がびっくりするほど赤く透けて見えるのに見惚れてしまいます。「自分はこんなに気持ちが萎えているのに、僕の体にはこんなにも脈々と血が流れている」。

そこから『手のひらを太陽にすかしてみれば』が思い浮かぶのです。

やなせさんは『絶望の隣は希望です!』で、戦争体験から来る自己犠牲の精神やアンパンという食べものを選んだ理由を教えてくれます。出版社から否定されても子どもに受け入れられた話は、社内で冷たい目で発売前に見られながらヒットしたら社内の見る目が変わるのとまったく変わらない。

結果がなかなか出ないとき、もうちょっと頑張ろう、そう思えるようになる本です。

ひらめく瞬間はいろんな段階にある

こうやってまとめると、ひらめく瞬間はプロジェクトのいろいろな段階にあることに気づきます。

足を冷やすために開発すべき機能がはっきりしたアシックスの鬼塚さん。

開発したい機能がはっきりしているのに専門家に否定され、すでに解決していた異分野の技術に気づいたウォシュレットの開発者。

他社も諦めるような方法にも最適解があるはずだと探り続け、急にその全体像がまとまったホンダジェットの前間さん。

 

ご紹介というより自分の好きな本を取り上げているところもありますが、もし読まれることがあれば、ぜひ感想をTwitterなどでお聞かせください。

 

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