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2019.04.08
ゲームプロデュース

GoogleのインフラとSTADIAの戦略

Googleが先月発表したストリーミングゲームプラットフォーム、STADIA

ゲーム業界から距離があるようにもみえるGoogleですが、検索やGmailで培ったインフラと、ゲーム実況のリーダーでもあるYoutubeを持つ強みをフルに活かし、ゲーム産業に新たな流れを起こそうとしています。

Googleのクラウド志向と全世界に広がるネットワーク・インフラ

ストリーミングゲームとは、サーバー側でゲームの処理演算を行い、描画された結果の画面だけをプレイヤー側に送る仕組みです。プレイヤーは高性能なハードウェアがなくてもゲームが楽しめるのが大きな特徴です。

実はこの仕組み、GmailやGoogleマップなどでGoogleがこれまで提供してきたクラウド型のサービスと共通点が多くあります。ゲーム独特の技術面やビジネス面の難しさはあるものの、クラウドかつストリーミングでサービスを提供すること自体が、Googleの志向性にとてもマッチしているのです。

さらに、Googleは検索サービスを20年近く展開し、世界各地にデータセンターとそれらをつなぐネットワークを持ちます。これは考え方の違いだけでなく、実際にそれを実践してきたことによる、ソニーや任天堂にはないリアルで物理的な強みです。

Stadia 発表イベントより

ここは規模と実績が影響するところ。より多くの拠点があるほど遅延の少ないサービスが提供できるからです。現時点で太刀打ちできるゲームプラットフォームは、マイクロソフトだけではないでしょうか。

開発するインフラも提供しようとするSTADIA

Googleは「開発するインフラ」をゲーム開発者に提供しようとしています。

ここはこれまでもゲームプラットフォーム各社が力を入れているところなのですが、それをネットワークを介して提供しようとするのがGoogleらしい。

Google Stadia 発表イベントより

データセンターがあなたのプラットフォームになる、スペックを気にせず自由に制作できる、とGoogleはアピールします。遅延やトラブルがなければ、高性能な機材やソフトを買わなくても、ゲーム開発ができる日がもしかしたら来るのかもしれません。

ゲーム実況のスタンダード、Youtubeを最大限活かす。

ゲーム実況をする場は現時点ではTwitch(Amazonが所有)かYoutubeの二択だと思います。GoogleはYoutubeが持つゲーム実況やライブ配信の仕組みと、ゲームそのものをうまく繋ぎ合わせようとしています。

たとえば今回発表されたCrowd Playという機能。これはライブ配信中のゲームに視聴者が直接参加できる、というものです。発表会ではバスケットボールのゲームの最中に参加ボタンを押すと、待機列に入り、順番がくると視聴者が配信中の試合で直接プレイできる、という事例が紹介されました。

この5年ほどでしょうか、ゲーム実況を意識したタイトルは増えています。しかしどうしても実況するプラットフォーム会社の意向に依存するところがあり、開発する側だけではユニークな体験を作り出すには限界がありました。

ゲームを観るインフラと提供するインフラを組み合わせる

今回Googleはゲームプラットフォームに参入するにあたり、「ゲームを観るインフラ」と「ゲームを提供するインフラ」を組み合わせようとしています。

ゲームプラットフォームを持つソニーや任天堂、マイクロソフトには、「ゲームを提供するインフラ」はあっても、「ゲームを観るインフラ」はない。ここにGoogleだからこそ取れる戦略があります。

ゲーム実況はゲームの遊び方や楽しみ方の大きな要素になりました。この流れにのり、自社の強みを最大限ゲームプラットフォームに取り込むGoogleの方向性は正しい。あとは今後、実際に具体的にどのように展開していくか。注目したいと思います。

関連記事『売り方とゲーム配信が変わる。STADIAのゲーム業界への影響

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