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2019.08.05
サブスクリプション戦略論

Adobe サブスク会員数と今後

adobe creative cloud 会員数(四半期別)

Adobeは2015年、サブスクリプションサービス会員数の公表を止めました。開始当初は公表していた数と今後の戦略を整理します。

デザイナー向けソフトを定額サービスに切り替え

Adobeはイラストレーターやフォトショップなど、デザイナー必須ソフトを開発。従来はDVDやダウンロードで製品として販売していました。

adobe cc package

2011年、これらのソフトを月額で提供すると宣言。翌年サブスクリプションサービス、Creative Cloudを開始します。当時のサービス紹介映像がこちら。

開始から1年後には、従来型のパッケージ版を今後出さないと発表します。これによりヘビーユーザーはサブスクリプション型に切り替えざるを得なくなりました。

1年3ヶ月で100万ユーザー突破

最初の2年半、Adobeは四半期ごとにCreative Cloudの会員数を発表。1年3ヶ月で100万人を突破します。

adobe creative cloud 会員数(四半期別)
出典:Adobe Financial Documents

2015年、初めて成長が鈍化

2015年第1四半期、初めて純増会員数が前期を下回りました。前回の64.4万人から51.7万人に2割減。同時に四半期ごとの公表もなくなりました。

adobe creative cloud 会員純増数(四半期別)
出典:Adobe Financial Documents

会員数が600万を超える

しかし2015年通年では270万の純増があり、11月の決算で会員数は617万と発表されました。これが現時点で最新の、Creative Cloudサービスの会員数です。
出典:Adobe Q4 and FY2015 Earnings Release

adobe creative cloud 会員数(年別)
出典:Adobe Financial Documents

会員数の公表をやめ、他事業に成長を求めるAdobe

Adobeは2015年以降、個別サービスの会員数を公表していません。近年の動きから、企業向けクラウドマーケティング事業に成長機会を求めているように見えます。

このサービスを見ると、彼らはMicrosoftやSAPのようなSIビジネス志向が強い。デザインする個人やプロと向き合っていないのでは、と不安になります。

デザインソフト事業はまだ伸びる

創業以来の基幹ビジネス、Creative Cloudはもう成長余地がないのでしょうか。

サービス開始から7年。古いパッケージ版を4年5年と使っていたユーザーも、多くはサブスクリプションに移行しています。パッケージ版は毎年300万個ほど売れていたと聞くので、600万あたりが妥当なユーザー数かもしれません。

しかし、まだ成長の余地は大きくあります。

1つは、世界の人口の半分がようやくインターネットにつながったばかりであること。

2つ目に、ますます動画や音を扱う個人が増えること。この領域でAdobe製品に競争力があるのか、まだわかりません。

3つ目に、AI(人工知能)で制作の過程を改革できること。デザイナーの制作を劇的に速くするなど、イノベーションの余地がまだまだあります。

新興サービスが普及する可能性は十分ある

デザインの対象も方法も人も変わるなか、フォトショップやイラストレーターがいつまでも優位な立場にいられるかは、わかりません。むしろ変化を捉えるベンチャーが現れてもおかしくない。

今後のデザインソフト市場とAdobeの動き、まだまだ目が離せません。

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