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2019.03.25
サブスクリプション戦略論

音楽配信とIOTの共通点

music subscription & iot

2018年、国内音楽市場で初めてストリーミング配信がダウンロードを超えました(日本レコード協会)

音楽配信は、同じく月額定額でストリーミングされる動画配信(ネットフリックスなど)と比べられがちです。しかし音楽配信は動画配信ビジネスとは決定的に違うポイントがいくつかあります。

ひとつは、映像配信に比べ、音楽配信は制作規模が圧倒的に小さいこと。Netflixは100億円を投資してオリジナルシリーズ『ハウスオブカード』を制作しましたが、音楽配信は異なる形でオリジナルコンテンツを揃える必要があります。この点は別記事で取り上げます。

 

もうひとつは、映像配信に比べ圧倒的に多様なデバイスに対応する必要があること。

映像配信もマルチデバイス対応とうたい、スマートフォン、タブレット、パソコンやゲーム機に対応します。しかし音楽配信はこれらの機器はもちろん、スマートスピーカーやスマートウォッチ、カーオーディオなど、ディスプレイがない機器にも配信ができます。

音楽は画面を見る必要がないので、勉強しながら、走りながら、運転しながら、料理しながらといった、何かしながら楽しむ、といったことができます。これがIOTと呼ばれる機器への対応を可能にします。

IOTデバイス向けの音楽配信は、自動化がさらに必要。

スマートスピーカーやスマートウォッチ、カーオーディオなどのIOTデバイスに向けて、音楽配信はどのようなサービスを今後追加していくか。

ひとつ言えることは、サービスの自動化が進むということです。たとえば音楽を聴き始めるにも、車に乗れば音楽は自動で流れるべきですし、走り始めるときもボタンを押さずに音楽は再生してほしいと感じます。音楽を止めるのも、いずれ自動化されるはず。

さらにプレイリストと呼ばれる曲の集まりも、自動生成され、自動で再生されると考えています。スマホで曲を選ぶ人もいますけど、曲を選ぶことすら面倒と感じる人も一定数いるからです。

ジョギングコースを走る時間にあわせてプレイリストを作成したり、休日と平日で違う音楽を車でかけたり。状況に応じたプレイリストを自動で作り、流してくれる。将来の音楽配信はこのようになるのではないでしょうか。

そのため、いかに周囲の状況を察知し、適切な制御を行うか。いかに好みとシチュエーションを察知し、流す音楽を選ぶのか。AI(人工知能)とビッグデータがポイントになりそうです。

完成した曲だけでない、音楽のコレクションを配信

音楽配信ビジネスがIOTデバイスへ提供できるサービスは、完成された曲だけに限りません。

例えばインストラクターの掛け声とあわせたヨガやフィットネスクラブの音楽。戦前からあるラジオドラマや、Kindleですでに提供されている本の朗読(オーディオブック)。

音楽配信ビジネスには、音や声に関わるあらゆるコンテンツを揃え提供するプラットフォームビジネスとしての可能性があります。

逆に言うと、音楽配信ビジネスはSpotifyやApple Musicなど身近な相手だけでなく、ライブ配信アプリをはじめとした様々なビジネスとの激しい競争が今後起きるとみています。

音楽配信にみる、IOTビジネスモデルの選択肢

音楽配信サービスは、動画配信サービスと似たシンプルなサービスプランを、現時点では提供しています。

しかしもし、デバイスにより特化したサービスを提供する場合、SpotifyやApple Music、Amazon Musicはどのような料金体系を打ち出すでしょうか。

 

ひとつのやり方は、既存のプランを維持したままサービスを拡充していくやり方です。これは、メジャーな映画もニッチなドラマも豊富に揃えていくNetflixやHuluなどの映像配信サービスと同じ道と言えます。

もう一つのやり方は、デバイス専用のプランを作るやり方。あるデバイスが音楽配信サービスのエントリー的な役割を果たす場合、割安プランを提供する可能性があります。たとえばAmazon Musicは月額380円で自社スマートスピーカー専用のプランを用意しています。逆に業務用として提供できる場合は、こう価格帯の専用プランを用意する可能性もあります。

 

このあたりの展開は今後IOTサービスのビジネスモデルを考える上でヒントになりそうです。特に複数のデバイスにサービスを提供するとき、どのように料金プランを区別するか、参考にしていただけたらと思います。

音楽ストリーミングサービス各社の料金プランやビジネスモデルに変更があれば、また当ブログにて取り上げます。

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