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2019.11.14
サブスクリプション戦略論

最初はサブスクではなかった Netflix

Amazonプライムビデオにあって、Netflixにないものの一つが「購入」ボタンです。じつはNetflixも一時期、単品販売を手がけていました。が、早々に撤退を判断。これが今のサブスクリプションビジネスにつながります。

DVD販売とレンタルは同時にできなかった

動画配信よりもはるか前の1998年、NetflixはDVDレンタル/販売サイトを開始。DVDを買うことも借りることも出来ましたが、売上はDVD販売に集中します。開始から2ヶ月、創業者たちはDVDレンタルとDVD販売は同時にはできない、と判断します。

Netflix共同創業者であるMarc Randolph氏の『That Will Never Work: The Birth of Netflix and the Amazing Life of an Idea』(未邦訳)に、この頃の経緯が書かれています。

販売とレンタルを同時に手掛けるのは、オペレーションが難しい。販売用/レンタル用/販売レンタル兼用と3種類のDVDを在庫管理し、返品ありとなしに分けて発送しなければならない。

サイトを訪れるお客さんにもわかりづらい。買うDVDと借りるDVDが買い物カゴに一緒にあるのは想像するだけで煩雑です。

レンタルにせよ、販売にせよ、どちらかに絞るべきなのは間違いない。けれど、どちらに絞るべきか?

Netflixの結論は、99%の売上を稼いでいたDVD販売事業からの撤退でした。

99%売上を稼ぐDVD販売事業を手放す

ネット販売ビジネスは消耗戦になりやすい。どこで買ってもDVDは同じを、アマゾンやウォルマートがネットで売り出したら、勝てません。一方、DVDレンタルはオペレーションが複雑で簡単には真似ができない。当時はDVDが普及しつつも、借りられるお店もWEBサイトも少なかった。競合が現れても、1年は先行できています。

いま正しい戦略だったと振り返るのは簡単です。しかし、開始直後にサービスを絞り込む決断をする。稼ぎ頭ではなく、より差別化できるサービスに特化する。この判断を下すのは、簡単ではありません。

試行錯誤を重ね、サブスクリプションを生み出した

先ほど紹介した本によると、彼らは定額サービスを当初想定していませんでした。DVDレンタルに集中することで、予約リスト、順次発送、翌日配送を生み出し、最後に延滞料金なくDVDを好きなだけ手元に置ける、サブスクリプションプランにたどり着きます。

決してサブスクリプションだけで成功したわけではありません。いろいろなサービスやタイミングが揃ったからこそ、定額制を導入してうまくいった。結果的にこの定額プランが、Netflixの危機を救い、成長の土台になります。

DVDレンタル集中が生み出したサービス精神

DVD販売を切り離し、レンタルに集中することでNetflixは様々な工夫を試します。

新作DVDの在庫に限りがあったこともあり、旧作で在庫あるものをオススメする仕組みを作りました。どんどん好みに合わせた作品を提案し、リストに登録して発送する。顧客の継続率アップにもつながります。

動画配信にシフトした今も、ドラマの1シーズン全話を一気に配信したり、ダウンロードして移動中も観れるようにしたりと、利用時間と頻度をあげるサービスを生み出しています。

こういったアイデアは、DVD販売や映像の単品販売をやっていては生み出せない。

毎月楽しめなければ、サブスクリプションは継続してもらえません。そのコツを、NetflixはDVDレンタル事業へ特化することで、つかんだように思います。

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