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2017.11.20
サブスクリプション戦略論

ポイントカードも”個人情報”もいらない

私は財布にポイントカードを入れていません。滅多に行かないお店だけでなく、普段利用するファミリーマートで使えるTポイントカードも持ちません。ポイントを意識してお店に行くのが面倒に感じるからです。

もちろん、ポイントを意識して貯めている方は多いと思います。最近は電子マネーへの変換ができるため、ポイントの資産価値も高まっています。

それでも、特にお店を展開するビジネスにおいて私はポイントカード、もっというとポイントの概念すら持たないサービスがあってもよいと考えています。

ポイントのために遠くにいくより、Amazonがいい。

大きく二つの背景があります。

一点目はポイントの仕組みを維持管理するコストと、お客さんが受け取るメリットのバランスが悪くなっている、という点です。

企業からみると、ポイント目当てのお客さんを集客して売上を目指しますので、ポイントを多く付与するキャンペーンを行ったり、個別商品にポイントを多めに付加したりします。しかし、これはキャンペーンを計画し告知作成する手間や現場オペレーションの複雑化というコストを伴います。

お客さんからみると、航空会社のマイレージのように、そこでしか受けられない施設でサービスを受ける場合は、会員ステータスが上がったり、待ち列の優先サービスなどがポイントで得られると嬉しいものです。施設に行く手間もそこでしか受けられないサービスですから、負担感はありません。

しかし、店頭でモノを買う場合、自分の都合のよい時間帯と場所でその都度モノを買いたい人が増える傾向にあるはずです。なぜならポイントを得るために少し遠くに行くという手間をかけるくらいであれば、当日中にもネット通販で同じモノが届く可能性があるからです。

ネット通販と実店舗の位置付けからポイントによるご来店を誘導することが今後難しくなり、消費が伸びないなか人件費が上がり続ける現状を見ると、ポイントサービスの費用対効果を見直してもよいタイミングに来ているのではないでしょうか。

年齢と性別だけでは、お客さんを分類できない

二点目は、年齢や性別でターゲットとするお客さんを区分けし、売れる原因を人力で分析していくことが、限界に近づいているのではないか、という点です。

企業にとってポイントサービスのメリットの一つは、細かく年齢や性別、住所などお客さんの属性と呼ばれるデータを集め、売上データと絡めた分析を行い、商品開発やプロモーションに活かせる点にあります。特に会員カードがあると、複数のお店に渡って利用いただいていたり、継続して利用していただくお客さんの動向がつかめます。

しかし、同性同世代でも価値観が多様化し、皆がみるテレビ番組やCMというものがないので、共通の価値観が熟成されにくい時代になってきているのは明らかです。

年齢や性別で区分けしたデータを集め分析することで、売れることの説明や商品開発のヒントになる場面は今後もあるでしょう。しかし、売れる背景を勘違いしていたり、社員や部署の仕事を正当化しているだけの場面も少なくはないのでないでしょうか。

売れる原因はわからなくてもいい。

それよりは、売れる原因をすべて自力で理解しようとすることを、すっぱり諦める。

もちろん、シンプルに来店数と売上数を継続的に捉え、仮説を立てて次の商品を開発し、プロモーションし接客をしてくことは商売の根幹です。

しかし、必要以上に属性に関わるデータを集め、『売上の原因を理解すること』は手放していいのではないか。

むしろ、どのようなパターンで来店したかを入力値に、何を買ったかを出力値に、大量のデータを機械学習(ディープラーニング)させたほうが、人間が思いもつかない関係性をコンピューターが見つけ出す可能性が高いのでないでしょうか。

なぜモノが売れるのかを、人間の頭が考える分析型マーケティングから、人工知能(AI)に任せるディープラーニング型マーケティングへ転換するタイミングが近づいていると思います。

顔認識技術と小売マーケティングの可能性

弊社はカメラと画像認識の技術を活用したゲームソフトウェアを手がけていますが、顔認識の技術をもっとマーケティングに活用できないかと強く感じます。

技術的には個人情報を入手せずとも再来店したお客さんを把握することがすでに実現可能で、POSデータとつなげると、商品のリピート率も把握することが可能です。仕組みは別記事にてご紹介します。

関連ブログ記事:顔認識技術で個人情報を持たずに履歴を把握する。

ポイントカードをすでに持っている企業にとって、基礎的な分析はすでに行なっていることと思います。しかし、その分析をポイントカード所有者ではなく、来店者全員を対象に行えることが、カメラと顔認識技術では可能です。

また、ポイントカードの仕組みを持たない企業には、大きなシステム投資なく売上データの検証が全来店客を対象に行える点、それを踏まえた商品開発やプロモーションと接客ができる点、は大きな魅力を持つのではないかと考えています。低価格・小型化するカメラの普及もその流れを後押ししています。

 

カメラなどセンサー類の進化、ECと実店舗・施設の役割分担、顧客志向の多様化を踏まえると、このような考え方も取りうるのではないかと考えています。

小売や流通ビジネスには私どもは不慣れですので、ご意見やご批判など、コメントをいただければとても幸いです。

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