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2020.11.13
デジタルビジネス事例集

Netflix 郵送DVD会員数の推移

Netflix DVD Rental

忘れがちですがNetflixは昔、DVD郵送レンタルを手がけていました。苦しみながらも定額制に切り替え、強敵と戦いながら急成長した、創業10年間を追います。

DVD3枚を19.95ドルで郵送

2002年に上場したころのNetflixの基本プランは19.95ドル。DVD3枚が送られ、郵送料も返却期限もなし。返却すれば同じ月で借り放題です。

創業者2人は1997年頃、ビジネスアイデアを試すにもDVDがなくて、CDをケースから出して郵送、割れないかテストしたそうです。このCD、もし割れてたら、今のNetflixはなかったかもしれません。

Netflix郵送DVD会員数の伸び

1998年4月当初、Netflixはレンタルではなく、DVD販売がメインでした。しかし、そのうちAmazonがDVD販売を始めたら勝てない。レンタルに手応えを感じていた創業者はAmazonの買収提案を断り、売上の97%を稼いでいたDVD販売ビジネスを切り捨てる決断をします。

99年9月に月額定額制をスタート。DVD市場の成長に合わせ、開始3ヶ月で10万人、4年目で100万人(2003年)を突破します。

 

サブスクリプションに行き着く

創業直後のNetflixは、東芝とソニーと組んでDVDプレイヤーに無料券を入れていました。しかし、多くが試してはくれるものの、5%しか有料会員にならなかった。

追い詰められた創業者は、DVDが大量にある倉庫をみて、お客さんに在庫を持ってもらえばよいのでは?と考えます。

『延滞料なし』
『DVDリストから自動配送』
『月額定額制』

この3つのアイデアを同時に試したところ、9割の人がクレジットカードを登録してくれた。都度DVDを借りるプランの4、5倍の割合で有料プランに登録してくれるようになったそうです。

サブスクリプションはすぐにNetflixの代名詞となりました。けれど、前もって考えていたわけではなく、試行錯誤を重ね、いろいろな要素がうまくハマった結果だと、共同創業者のMarc Randolph氏はいいます。

The subscription model saved Netflix and quickly came to define it. But it wasn’t something that we thought our way toward—it wasn’t something anyone could have predicted ahead of time. It took a lot of hard work, a lot of hard thought.

It also took a lot of cards falling just right.

Other people call that luck. I call it nobody knowing anything.

出典:Randolph, Marc. That Will Never Work: The Birth of Netflix and the Amazing Life of an Idea (p.212).

Netflixの顧客獲得コスト

Netflixの顧客獲得コスト(CAC: Cost of Acquiring a Customer)をみると、DVDプレイヤーに無料券を入れていたころ、1人あたり300ドルを超えていた顧客獲得コストは2002年の110ドルからどんどん下がっていきます。

 

Netflix 2004年の値上げと値下げ

しかし2004年から、顧客獲得コストは再び上昇します。これはBlockBusterが同年、DVD郵送レンタルを立ち上げたことが大きい。

実はNetflixは2000年にBlockBusterへ事業売却を持ちかけているのですが、価格で折り合わなかった。その後、BlockBusterが似たサービスを立ち上げ、両社は顧客獲得をめぐり激しく競います。

この年、NetflixはTVCMを展開。6月に基本プランを$19.95から$21.99に値上げしたあと、11月に$17.99へ逆に値下げ。新たに低価格帯のプランを用意するなど、激しく動きます。この攻防はBlockBuster社が2010年に倒産するまで、続きます。

映像配信で全世界に事業拡大

BlockBusterと競り合うなか、Netflixは2006年から映画のストリーミング配信を始めます。ストリーミングは会員獲得ペースが速く、獲得コストも低い。2010年にはDVDよりもストリーミングを観る時間が多いお客さんが過半数を超えます。

2011年には、郵送DVDとストリーミングのプランを分割。この時点の会員数2625万人や、好みに合わせたオススメ作品を旧作から勧めるレコメンド機能など、10年近いサブスクリプションビジネスの経験が足掛かりになったのは間違いありません。

このあとNetflixは海外展開もあり、会員数1.6億人を超えるビジネスに成長していきます。

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