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2020.11.14
デジタルビジネスの規模と戦略

Netflix 会員数の推移

Netflix Top JP 2020/11/14

2020年12月、Netflixの会員数は2億人を超えました。Netflixが「海外進出」と「オリジナル作品」を軸に成長した推移を追います。

2000万人の郵送レンタル会員

1997年創業当初、Netflixは観たいDVDをウェブサイトで登録すると郵送で届けてくれる、DVDレンタルビジネスでした。返却期限を気にせず、月定額で何度でも借りられることから、DVDの普及に合わせて急成長します。

動画配信は2007年から試験的にスタートし、2011年に動画配信専用プランを打ち出しますが、この時点で会員数は2000万人以上。年商3000億円規模のビジネスがあった上で、動画配信を本格化させています。

 

DVDレンタル事業はアメリカ限定だったので、2011年の2000万人はほぼ米国内です。そこから10年で約10倍。2020年はコロナウィルスによる巣ごもりも手伝い、1年で3600万人の会員を獲得、全世界で2億人を超えました。

動画配信と 海外進出を『同時』に本格化

実は、Netflixの成長は、海外市場が大きな割合を占めます。先ほどのグラフをアメリカ国内と海外に分けたのが、こちら。
(2020年より国内/海外で数字が公表されなくたったため、グラフは2019年留まりです)

 

Netflixは郵送レンタル時代から海外志向はあったものの、なかなか着手できずにいました。動画配信では2010年にカナダ、その後もラテンアメリカ、ヨーロッパと積極的に海外へ進出、2016年1月には一気に130ケ国を追加します。

アメリカ国内だけでは成長は低かった

一方、アメリカ国内は2013年をピークに、成長が鈍化しています。会員の増加数をグラフでみると、500万人前後で毎年の会員獲得は推移しています。

 

郵送レンタルから動画配信に進出する上で、アメリカ国内の2000万人は大きな後押しとなりました。しかし同時に、株主が期待するレベルの成長はアメリカ市場だけでは難しい、と2010年にはすでに判断したのではないでしょうか。国内の会員獲得ペースは、おそらくNetflixにとっては予想の範囲内なのだと思います。

欧州はアメリカに匹敵する規模へ

2019年からNetflixは、海外市場を4つに分けて発表するようになりました。その数字がこちら。「欧州・中東・アフリカ」地域の会員数は、アメリカに匹敵しつつあります。

 

2020年は全地域で増加ペースが上がった

地域別の会員増加数では、2019年アメリカ・カナダが減速しましたが、これは2019年1月の値上げの影響が大きい。2020年はDisney+Apple TV+も参戦するなか、620万人を獲得しています。

 

 

地域オリジナル作品が全世界へ

競争が増えることを見越して、Netflixは積極的にオリジナル作品を制作しています。当初は英語の映画やドラマでしたが、近年はドイツ『バーバリアンズ』や日本『今際の国のアリス』など地域ヒット作が増えています。今年2021年1月に配信開始のフランス『Lupin/ルパン』は、アメリカでもいきなりランクイン。

Netflixオリジナル作品は、英語作品が中心だった第一世代、英語以外の作品が地域でヒットし始めた第二世代から、英語圏外の作品がグローバルにヒットする第三世代に進んでいます。

開始1年で8700万人の会員を集めたDisney+や、2021年1月スタートしたDiscovery+など、競合は増えますが、メジャー級から多様なテーマまでオリジナル作品を手掛けるNetflixの戦略は、しばらく続きそうです。

 

 

参考

Netflix Investor Relations

Netflix 『A Global Approach to Recommendations

Deadline.com『Netflix To Enter Original Programming With Mega Deal For David Fincher-Kevin Spacey Series ‘House Of Cards’

Wired『Netflixのドラマ「全裸監督」は、なぜ世界で求められたのか

マイケル D. スミス (著), ラフル テラング (著)『激動の時代のコンテンツビジネス・サバイバルガイド

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