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2022.07.21
開発者向けオススメ本

商品開発の失敗学

商品開発の失敗学

失敗は誰にとっても辛い。けれど失敗を重ねないと大きな成功はつかめない。そのヒントが得られる本を、ご紹介します。

『機長の「失敗学」』杉江 弘

『機長の「失敗学」』は1985年8月に起きたJAL機墜落事故の教訓を、現役機長である杉江弘さんがまとめたものです。失敗を振り返るのは、誰でも辛いものです。ましてや墜落直前まで最善を尽くし、亡くなったパイロットの操縦を批判するのは、タブー視される風潮がある、と杉江さんは語ります。

 

出典:JIJI.COM

しかし実は、同じ状況に遭遇し空港に帰還した例(1989年のUA232便)があるそうです。JAL123便も生還する可能性がゼロではなかったのではないか。ハードやソフト面だけでなく、操縦にも学ぶべき点があるのではないか。JAL機墜落の場合、油圧操縦系統がまったく機能しなくなった時にどう操縦するか。機体などハード面、シミュレーションやマニュアルなどのソフト・操縦面から、一つ一つ教訓を導き出しています。

パイロットの操縦を検証することで、杉江さんは業界関係者から批判を浴びたといいます。正面きって言われるならまだしも、関係者内でヒソヒソと言われるのだそうです。

どんなに不快でも、失敗には向き合い問題を解決しなくてはならない。その心構えを新たにさせてくれる本です。

『ピクサー流 創造するちから』エド・キャットムル

1995年にトイストーリーが大成功したあと、ピクサー創業者は目標を見失ってしまったと言います。その気持ちにご自身も戸惑い、誰にも打ち明けられず仕事を続けていた。

そんなとき、つまらないミスが起きます。なぜそんなことが起こるのか?本人に悪気はない。成功して会社は膨らみ続けている。いろいろ考え、クリエイティブな組織文化を作り維持する、という新たな目標にたどり着くのです。

 

著者のエド・キャットムル氏は、ピクサーを特別足らしめているもの、それは「問題は必ず起こる」と思って仕事をしていることだ、と言います。「問題に目を光らせることと問題に気づくことは違うことだと痛感した」とも言います。

『ピクサー流 創造するちから』では、個人批判を恐れて表面化しづらい「失敗」を見つけ出す仕組みが出てきます。洋の東西を問わず失敗とは向き合いづらいものなのだと、感じます。当初はつまらない脚本でも、脚本家同士で率直に批評しあい、よりよい映画を作り上げるブレイントラストという場も紹介してくれます。

エンターテインメント制作者だけでなく、広くモノ作りに関わる方へのヒントがたくさんつまった本です。同時に、クリエイティブな組織を作り上げたい経営者・起業家の方にもぜひ読んでいただきたい本です。

『調理場という戦場』斉須政雄

『調理場という戦場』では、フランス料理のシェフ斉須政雄さんが修行時代に出会ったオーナーやシェフとのエピソードを紹介してくれます。そのひとつに、赤ピーマンのムースという独創的な料理を作り上げる同僚シェフの話があります。

そのシェフはあるやり方がうまくいかないと、翌日はもう別のやり方を試していた。1日で諦める決心はなかなかつかないですよね。皮の剥き方一つでも、いろいろなパターンを静かに、持続的に試していく。そして「驚くほど革新的な料理に仕上げていた」そうです。

 

1つ1つの失敗が時間の無駄に感じますが、そうではない。失敗を繰り返し成功をつかむまでの合計時間に無駄がないこと。実践は難しいですが、少しでもこのやり方に近づきたいと思わせてくれる本です。

失敗を前提にする

業界を問わず先輩方の本を読んでいると、失敗は避けるものではなく、当たり前であり積極的に見つけ出すものなのだと教えられます。

自分だけが失敗しているわけではありません。ご紹介した本がみなさんを少しでも勇気づけられたら嬉しいです。

 

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