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実在する題材をゲームにするとき、グラフィックや名前など「リアリティー」を追求します。しかし見た目のリアリティだけでなく、選手心理のリアリティーも追求したい。
いい例が、KONAMIさんの「プロ野球スピリッツA」です。
プロスピAにはバッター緩急ゲージがあります。同じ速度のボールを投げ続けると、バッターの目が慣れて打たれやすくなる、というものです。
このゲージは、選手心理を可視化しています。
実際の野球はもっと複雑です。速度の変化だけでなく、高低差、内角・外角、球種によってもバッターの心理と目の慣れに変化がでます。
ゲームが捉えるのは現実のごく一部。すべてを捉えることはできませんし、捉えてもゲームは破綻します。どこかで虚構を織り交ぜなければなりません。
けれど、選手心理を可視化することでスポーツファンに継続して遊んでもらいやすくなるのも、事実です。
これはスポーツゲーム以外のジャンルにも言えます。
作り手が思う以上に、ファンはキャラクターに強い愛着を持つようになります。ガチャでキャラが増え続けるなか、キャラクターを道具のように扱ってはいないでしょうか。レアリティに差はあっても、キャラクターにはそれぞれ個性があり、ファンがつきます。
もっと多くのゲームに、キャラクターの心理状態を可視化し、感情移入できる仕組みがあってよいと感じます。