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2019.03.29
ゲームプロデュース

変わるゲーム販売とSTADIA

Googleが今月発表したゲームプラットフォーム、STADIA。ゲームをダウンロードする必要がなく、低スペックのパソコンでもゲームが楽しめる点が魅力的です。しかし肝心なところは、まだわからない点が多くあります。

ビジネスモデルは月額のサブスクリプションなのか?ソフト単位で販売するのか?アイテム課金はあるのか?どの程度販売データは開発者に提供されるのか?

サブスクリプションになるかどうかはゲームの売り方の根幹に関わる問題ですが、それ以外のゲームの売り方、特にゲームを知っていただくところや、共有しあうところにはユニークな機能がいくつかあります。

映像を見てそのままゲームをプレイ開始できる

ゲームの売り方が変わると感じたのは、Youtubeでプロモーションビデオを見終わって、Play Nowボタンを押すと、そのままブラウザからゲームプレイに移行できるところ。発表会でこのデモを紹介した映像が以下です。

アサシンクリードのトレイラーからワンボタンでゲームが遊べる

ゲームプロデューサーの悩みの一つが、Youtubeに出すプロモーション映像から購入へといかにスムーズに結びつけるか、という部分です。

Youtubeの映像にはリンクを貼ることができますが、そもそもどこに飛ばすのかが難しい。Amazonの商品ページなのか、PlayStationストアやニンテンドーストアなのか、それとも自社サイトなのか、自社SNSアカウントなのか。自社以外のリンクは移動したあと、購入に紐づいたかもわかりません。

さらにどのリンクに移動しても、これまでは購入する、商品をダウンロードする、という2つのハードルが残りました。

STADIAでゲームを買う方法が、ソフト単位なのか、月額課金(サブスクリプション)なのか、現時点ではわかりません。しかしもしサブスクリプション型だとすると、ソフトを購入するという判断が(会員の場合)必要なく、ハードルの一つが減ります。

さらに何ギガもあるソフトを、ダウンロードする必要なくプレイ開始できるのは、お客さんにとって喜ばれるに違いありません。

映像をみてすぐプレイすることが当たり前になると、AmazonであれPlayStationストアであれ、他のサイトに移動してソフトを買う、というハードルが相対的に面倒になります。ソニーや任天堂、マイクロソフトにとって、ゲームソフトを買うという仕組みの部分で脅威になると感じる部分です。

同じ場所から同じ条件でみんながプレイできるState Share。

もうひとつSTADIAでゲームの売り方が変わるなと感じるのは、State Shareと呼ばれる機能。Stateとは英語で「状態」を意味していて、プレイヤーが直面しているゲームの特定箇所と条件(体力やアイテム、残り時間など)を共有できるというものです。

こちらも該当箇所に開始位置を合わせて以下に紹介します。

プレイヤーのステージと位置、敵キャラやアイテム/HPの状況を共有できる

この機能を使うと、絶体絶命のシチュエーションを共有し、世界中の人が同じゲームの同じ場所から同じ条件で挑戦するといった楽しみ方ができます。

友達同士でこれやってみてと共有したり、なんども同じ場所から自分だけで練習したり。

これまでゲームで共有というと、同じソフトの中でプレイヤー同士がやり取りしたり、知らない人にはソフトを商品として紹介したり、映像で紹介したりするだけでした。しかしこの仕組みはゲームの特定シーンを共有することで、ゲームを知らない人に、見るだけではわからないそのソフトの良さを知ってもらえる可能性があります。

ソフトウェアは実際に触って動かしてみないと、価値はなかなか伝わりづらい。新作ゲームを売るときにいつも感じることです。

共有されたゲームの特定場面をそのままプレイすることが、新しいゲームに触れるきっかけになったり、新たな試遊として普及したりすれば、ゲームの売り方に変化が出てくるはずです。

ゲームの中身を外の世界とつなぐ。

ご紹介したような機能は、プレイステーションでもスイッチでも実現可能です。しかしインターネットのリンクの概念をゲームの世界に持ち込む発想は、Googleらしい。

STADIAは、ストリーミングで端末を問わずゲームができるというアイデアと、実況プレイやゲームにまつわるコミュニケーションをオープンなインターネット上で可能にするというアイデア(姿勢)の二つが組み合わさったサービスのように見えます。

特にゲームの特定箇所を共有する、というやり方は他のゲームプラットフォームも採用できるよう、仕様を標準化してもよいかもしれません。

ゲームの世界がより外に開かれていき、ゲームの楽しみ方が豊かになればと、期待をしてSTADIAの今後の展開を見ていきたいと思います。

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