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Appleは製品売上をiPhone、Mac、iPad、その他(Apple Watchなど)、の4つにわけて公表しています。2019年以降iPhoneだけが2年連続で売上減少していたのですが、2021年9月決算では反転し、前年比39%増となりました。
2021年9月期決算のiPhone売上高は$191Billion(約21兆円)と、前年から$54Billion(約6兆円)も上がりました。2020年9月期までiPhoneの売上は2年連続で下がっており、他の製品やサービスが成長するなかiPhoneだけが縮小するのも2年連続だったのですが、2021年は全製品の売上が増加しました。
昨年度はコロナの影響でiPhone12の発売が遅れ、例年9月期末に貢献する新型iPhoneがありませんでした。今年度は逆に2020年10月発売のiPhone12と2021年9月発売のiPhone13という新機種が二つ重なったことが背景にあります。
今後もiPhone売上高の減少トレンドが続くかどうかは、2022年9月の決算を見る必要がありそうです。
2007年1月に発表されたiPhoneの販売数は2018年まで年度ごとに公式発表されていました。以下グラフでみると、2012年と2015年が特に大きく伸びています。
2012年は9月期末直前のiPhone5だけでなく、2011年発売のiPhone4sが通年でフル貢献。iPhone4とiPhone3GSも堅調に売れた結果、前年から5280万台を上乗せ73%アップを達成しています。
2015年はiPhone6とiPhone6sが絶好調で、前年から6199万台アップの2億3212台、比率で37%も成長。iPhoneの平均販売単価も11%アップしています。
2016年に初めて下がったものの、年間2億台を販売してきたiPhone。上記の販売台数グラフに売上を重ねると、2015年と2018年は台数よりも売上の伸びが目立ちます(販売数は2019年以降、非公開)。
2015年に平均単価が上がったのは、前述の通り。2018年は前年のiPhone8, iPhone8 Plux, iPhoneXで全体的に価格を上げています。
Appleはその後もiPhone XSで価格帯を上げましたが、売上アップにはつながりませんでした。
視点を変えて、『iPhone』で検索された数』(全世界)をみると、実はiPhoneが一番注目を浴びていたのはなんと2012年、9年も前のことです。検索される回数は毎年iPhoneの新型が発表される9月に伸びるものの、iPhone5以降はその頂点がずっと右下がりなのがわかります。
だだし、注目度が下がっているのはAndroidも同じ。ハードの差別化はいたちごっこです、App StoreはAndroidと違いを出しすぎると、人気アプリに逃げられてしまう。アメリカのSection 230にまつわる議論も、GAFA各社のサービスが生活に欠かせないものになったからこそ問題になっていると言えそうです。
iPhoneが生み出した、アプリを含むスマートフォンのシステムは、もはや電力や水のようなインフラ。ある程度普及したら、販売台数が落ち着くのは致し方ありません。
今後はApple自身も強調するように、競合するAndroidやAmazon Alexaでも楽しめるApple Musicのような、ハードウェアと切り離したサービスが主役になりそうです。
ZDNet『Here’s an interesting chart: iPhone unit sales have been declining steadily for 5 years』