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2021.04.15
ゲーム進化論

クラウドゲームの市場規模② プレイヤーと視聴者の融合

クラウドゲーム市場規模 プレイヤーと視聴者

様々なハードウェアでゲームを楽しむ人を結びつけるクラウドゲーム。先日の記事では、クラウドゲームにはスマホゲームと家庭用ゲームのユーザーを結びつけ、ゲーム市場を大きく変え成長させる可能性があると、書きました。

じつはプレイヤー以外にも、ゲームには大切な存在がいます。それは、ゲームを観る人。eSportsやゲーム実況を見て、楽しむ方々です。

プレイヤーと視聴者と開発者

いまのゲーム実況映像の配信や視聴者とのやりとりは、映像配信サービスやSNSで行われています。ゲーム開発会社は、ゲームは素材として提供するものの、ゲームプレイ映像やコミュニケーションには、ほぼノータッチです。

一方、クラウドゲームはゲームそのものをストリーミングで配信すると同時に、ゲーム映像も配信できる。つまり、ゲームそのものの配信とプレイ映像の配信は、同じ事業者が同時に提供できるのです。

これを図にしてみます(手書きで恐れ入ります)。現状はゲームをプレイし、プレイヤーが映像をYoutubeなどを経由して配信する仕組みです。

クラウドゲーム市場規模 プレイヤーと視聴者

一方、ゲームをストリーミング配信と同時に、映像も配信できてしまうのが、クラウドゲームです。

クラウドゲーム市場規模 プレイヤーと視聴者の融合

私は今後、ゲームと同時にプレイ映像も配信する大型クラウドゲームと、プレイ映像はTwitchやYoutubeに任せるゲームに分かれていくと考えています。前者ができる企業は限られます。しかし、これまで実空間やSNSでやりとりされてきた、ゲームにまつわるコミュニケーションを、ゲーム開発者が設計・運営できるようになる。

新たな体験とビジネスモデルが生まれる可能性を感じるのは私だけでしょうか。

視聴者がゲームに参加する

ゲームそのものとプレイ映像の配信を同時に手がけると、視聴者にはプレイヤーとは異なる画面を、リアルタイムに用意できます。1人称の視点ではなく全体を見渡すアングルや、透視や暗視などプレイヤーには見えない情報、コメントなどコミュニケーションに特化した画面レイアウトなどが考えられます。

さらに、ゲームに合わせたコミュニケーションの場も柔軟に設計できます。『あつまれ どうぶつの森』であれば、島の感想や作り方をテキストや絵や音声でやりとりしてもいいですし、『FIFA』であれば、得点シーンを切り出した映像をもとに会話できるようにしてもいいかもしれません。

私自身は、ゲームとプレイ映像を同時配信する最大のポイントは、視聴者がゲームに何らかの形で参加できる点だと考えています。GoogleのStadiaには、配信中のスポーツゲームにそのまま待列に入って参加する、Crowd Playという機能があります。
(下記映像は、発表会の該当箇所から始まるよう切り出しています)

 

私はこのデモを観たとき、視聴者とゲームの関わり方が双方向になる、と大いに刺激を受けました。このデモでは視聴者が実況者と同じ選手として参加しますが、ゲームによっては、もっと多様な参加の仕方があるはずです。

スポーツゲームで選手を応援したり審判となったり採点したり。RPGで街キャラを演じたりアイテムを作ったり。パズルやアクションゲームのステージ設計をしたり。馴染みのある遊びがほとんどですが、これら多様な遊びを同じ場所から提供できるところに、クラウドゲームの価値があると思うのです。

プレイ映像とコミュニケーションを軸に収益をあげるゲーム

ゲームそのものだけでなく、プレイ映像やその周辺のコミュニケーションまで手がけられると、ビジネスモデルの幅が大きく広がります。

これまでゲームビジネスは、より多くプレイヤーを集めるところに勝負がありました。けれど今後は、プレイヤーは少なくても、より多くの視聴者を集めるところに勝負はシフトするかもしれない。

テニスや野球のように、プレイそのものにはお金が要らなくても、トップ選手の映像を見たり、指導を受けたりするところで収益を上げられるかもしれません。コミュニティが充実してくると、広告収益も考えられます。ゲーム開発会社が、SNSビジネスのようなビジネスモデルを展開する可能性があるのです。

ゲームと映像配信の市場が重なり合う

まとめますと、先日の記事でとりあげた異なる端末を持つゲームユーザーを足し合わせる方向とは別に、クラウドゲームには視聴者を巻き込んだコミュニティサービスとして、市場を成長させる方向があります。

参考記事:『クラウドゲームの市場規模① スマホと家庭ゲームの融合

ゲームプレイ映像配信のツートップTwitchとYoutubeが、クラウドゲームならではの遊びやサービスを開発をする可能性は低いでしょう。むしろ、ゲーム体験、プレイ視聴体験とコミュニケーションを上手に設計し、最適な収益モデルを適用できる、ゲーム開発者やSNSなどコミュニティサービス事業者にそのチャンスがあるように思います。

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