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2016年以降、Adobeは月額性サービスCreative Cloudの会員数を公表していないのですが、立ち上げ直後は公開しており、その3年間の推移を見ていきます。
Adobeはイラストレーターやフォトショップなど、デザイナー必須ソフトを開発。従来はDVDやダウンロードで製品として販売していました。
2011年、これらのソフトを月額で提供すると宣言。翌年サブスクリプションサービス、Creative Cloudを開始します。当時のサービス紹介映像がこちら。
開始から1年後には、従来型のパッケージ版を今後出さないと発表します。これによりヘビーユーザーはサブスクリプション型に切り替えざるを得なくなりました。
最初の2年半、Adobeは四半期ごとにCreative Cloudの会員数を発表。1年3ヶ月で100万人を突破します。
四半期ごとに増えたユーザー数を示したのが、以下のグラフ。
サービス開始から1年で月ベースで10万ユーザーを獲得するようになり、2014年には月に20万を超える新ユーザーを獲得しています。
上のグラフを見ると最後の2015年第1四半期、初めて純増会員数が前期を下回りました。前回の64.4万人から51.7万人に2割減。同時に四半期ごとの会員数の公表もなくなりました。
成長のペースは落ちたもののの、それでもユーザーは増え続けています。2015年通年では270万の純増があり、11月の決算で会員数は617万と発表されました。これが現時点(2019年)で最新の、Creative Cloudサービスの会員数です。
出典:Adobe Q4 and FY2015 Earnings Release
Adobeは2015年以降、個別サービスの会員数を公表していません。最後のパッケージ商品、Creative Suite 6は2012年発売ですから、その後3年間で大多数の既存顧客はサブスクリプションに移行してしまった、のかもしれません。パッケージ版は毎年300万個ほど売れていたと聞くので、600万あたりが妥当なユーザー数にも見えます。
今もAdobeはサブスクリプション事業の売上高を金額ベースで公表しています。しかしこれは、Marketo買収に代表される法人ソリューション事業の影響が大きい。このあたりのカラクリは別記事にてご紹介します。