Live Computing Inc.

BLOG

ブログ

 ホーム    ブログ    推移グラフでみるITビジネス    PlayStation Plus 会員数 推移
2020.11.12
推移グラフでみるITビジネス

PlayStation Plus 会員数 推移

PlayStation PlusとPS4累計台数の推移

全世界で4700万人が利用するソニーのゲーム・サブスクリプション、PlayStation Plus。PS5発売を受けて、今後の成長やリスクをみていきます。

オンライン対戦に必須のゲームサブスクリプション

PlayStation Plus(以下PS Plus)は、毎月2-3本の人気タイトルを追加料金なしで遊べる「フリープレイ」や、世界中のプレイヤーと対戦や協力プレイを楽しめる「オンラインマルチプレイ」を提供する、サブスクリプションサービスです。月850円の定額制で、1/3/12ヶ月単位で購入します。

10年前から続くサービスで、PS3から数えると据え置き型の新ハードを迎えるのは、PS5で2回目です。

PS5よりPS Plusの会員数は伸びるのか?

逆に、PS PlusがPS5の販売を後押しするのか?

決算情報をグラフ化しながら、整理します。

4700万人を超えるゲームサブスクリプション

PS Plusの会員数は2020年12月末時点で、4740万人(SONY 2020年度 第3四半期)です。会員数を公開するようになった2015年以降の推移は、以下の通りです(2015,2016は年度末のみ)。PS4の商品寿命が終わりに近づくなか、大きく伸びているのは、コロナウィルスによる巣ごもりの影響です。

 

競合するゲーム機メーカーのサブスクリプション、MicrosoftのGame Passは1800万人、任天堂のNintendo Switch Onlineは2600万人なので、価格や内容に違いはあるものの、他社をリードしているといえます。

一方、業種も仕組みも違うものの、Netflixの2億人Spotifyの1.5億人と比べると、成長余地はまだあるようにも思えます。

PS4販売台数は減っても、PS Plus会員数は伸びている

PS Plusは、お客さんがPlayStationというハードウェアを持つことが前提のサービスです。そこで、先ほどのグラフにPS4の販売台数を重ねてみます。

 

2013年発売のPS4は、2016年から販売数が下がっているものの、PS Plusは会員数を伸ばしています。ハード購入と同時に加入するのではなく、オンラインマルチプレイタイトルを買うなど、しばらく経ってから加入する傾向があります。ちなみに第3四半期が毎年伸びるのは、年末商戦の影響です。

PS4所有者の4割が加入

1億1千万台を超えるPS4の累計販売数とPS Plusの会員数を比べると、約4割の方がPS Plusに加入しています。PS4 Pro(2016年発売)など複数のPS4を持つユーザーもいるため、人数や稼働するPS4を分母にすれば、もう少し比率は高くなるはずです。

 

PS5でPS Plus会員数は増えたか?

さて、2020年11月に発売されたPS5は、PS Plus会員数にどのような影響を与えているでしょうか。

PS Plus会員の増減をみると、グラフの右端、2020年10月〜12月は、150万人増加してます。これ実は、前年や前々年の同時期よりも、減っています。

 

SONYは同じ時期、PS4を140万台、PS5を450万台出荷していますが、PS Plus会員数は大きく伸びていません。もっとも、初期のPS5購入者はPS Plusに加入している方がかなり多いでしょうから、結論を出すには時期早々ともいえます。

PS Plusが、PS5を後押しできるか?

PS PlusとAmazonプライムには共通点があります。それは、個別に商品を買うプラットフォームの上に、定額サービスがある点。

Amazonプライム会員は、購入単価が非会員よりも高い、と言います。おそらくPS Plus加入者も、非会員より多くソフトを買い、PS5を買う割合も高いはずです。

会費の元を取ろうとしたり、翌日配送が便利に感じたりして他サイトではなくAmazonでより多く買う人はいます。PS Plusに入っていることで、PS4のソフトをより多く買う人もいると思います。しかし、PS Plusが大きな理由でNintendo SwitchやXboxの代わりにPS5を買う人が、どれだけいるかは、わかりません。PS Plusがあることで経営は安定するものの、PS5の販売を後押しし、PS5の成功確率を高めているとは、考えにくいところがあります。

game console competition

ひとつあればいいなと思うのは、ポケモンホームのような過去作のキャラやアイテムを、シリーズ最新作でも引き継げるサービス。これがあれば、PS4でプレイしたデータを活かして、PS5のハードとシリーズ最新作を買いたい、と思ってもらえるかもしれません。ワードやエクセルで作った書類が増えると、他のオフィス製品に移行しづらいのと似ています。ただこのようなサービスをやるなら、自社でやりたいと思うゲーム会社も多いはずで、PS Plusで実現する可能性は低いと考えます。

結局のところ、PS5を買いたいと思わせる魅力的なタイトルをどれだけ提供できるかという、従来のビジネスモデルに変わりはない、ということかもしれません。

PS Plusの会員数が減るリスクも

サブスクリプションビジネスとしてPS Plusをみると、今のやり方ではPlayStationの台数が上限なので、1億人を超えるような成長は見込めません。ハードに依存しないゲームサブスクリプションは別記事でまとめますが、ここではむしろ、PS Plusの会員数が減る可能性を指摘したいと思います。

 

1つは、コロナによる巣ごもりで加入したユーザーの解約(1年を迎える2021年春)が増える場合。

もう一つは、PS5が販売不振に陥った場合。

あとひとつは、PS Plusなしでもオンラインマルチプレイが楽しめるFree to Playタイトルが増える場合。

 

そういう意味でも、最初の外出制限から1年が経ち、PS5の供給も安定しているであろう、2021年度の第一四半期に注目したいと思います。

 

 

この記事は4半期の決算発表ごとに更新していきます。

ご意見やご感想などございましたら、ぜひ弊社Twitterや問い合わせフォームよりお聞かせください。

 

参考資料

ソニー 投資家情報

Microsoft 『2021年度第二四半期決算』

任天堂 『2020年9月経営方針説明会』

ブラッド・ストーン著『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』

関連記事