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2020.11.14
デジタルビジネス事例集

Netflix 会員数の推移

Netflix Top JP 2020/11/14

「海外進出」と「オリジナル作品」を軸に成長したNetflixの会員数の推移を追います。

2011年に動画配信を本格化

Netflixは2011年、それまで1つだった動画配信とDVD郵送プランを分割。ストリーミング配信に本格的に取り組みます。

 

毎年のように1000万人以上、ここ3年は2000万人を超える会員を獲得。2017年に1億人を超えてからも20%を超える成長を続けています。

動画配信と 『海外進出』を同時に本格化

同じグラフを国内と海外に分けたものがこちら。Netflixの高い成長率は、ほぼ海外市場によるものだということがわかります。

 

DVD郵送レンタルはアメリカ限定でしたが、動画配信ではスタート直後の2010年にカナダ、その後もラテンアメリカ、ヨーロッパと積極的に海外へ進出します。

2016年1月には130ケ国を一気に追加。この時の技術者のブログが面白くて、例えばあるジャンルのアニメを好むコミュニティは、日本人が一番多いけど全体の1割以下で、世界中にファンが散らばっている。レコメンド機能の多国展開で学んだことは、思ったより人の興味には共通性がある、と言います。

Take Anime for example. Our data helped us identify a community of members that really enjoys the specific type of Anime exemplified by the recommendations below:

Although it is not surprising the country with the largest representation in this community is Japan, it’s important to note fewer than 10% of people in this community are actually in Japan — the rest come from all over the world! In this case, pooling data across all countries for this community really helps us improve our recommendations for all Netflix members in this group, no matter where they actually live.

出典:Netflix 『A Global Approach to Recommendations

アメリカ国内だけでは成長は低かった

会員の増加数をグラフ化したのがこちら。アメリカ国内は2013年をピークに、成長が鈍化しています。

 

2010年時点で2000万人の会員がいた、Netflix。DVD郵送レンタルからの顧客が、動画配信ビジネスの原資になります。一方、アメリカ市場だけでは大きく成長はできない。その意味で、スタートから海外市場に取り組んだ判断は際立っています。

動画配信で『オリジナル作品』にも進出。

海外進出に加え、Netflixが注力したのが『オリジナル作品』です。2011年3月に『ハウス・オブ・カード』を発表。デヴィッド・フィンチャー監督やケヴィン・スペイシー氏のファン数、原作BBCドラマのレンタル数などのデータを根拠に、100億円を超える投資を決めます。

『ハウス・オブ・カード』は、1シーズンで打ち切るドラマが多いなか、2シーズン分を一気に制作。先を見越してシナリオが作れ、配信なのでエピソードの長さもバラバラ、CMにあわせて編集する必要もありません。2013年2月にはシーズン1全話を一気に公開し、ケーブルテレビには真似できない、イッキ見を広めます。

この手法はその後のオリジナルドラマにも受け継がれ、Netflixは他社作品を仕入れる側から、映像を作る側に移ります。その結果、Disneyなど映像制作各社はNetflixから作品を引き揚げ、競合するようになります。

欧州はアメリカに匹敵する規模へ

Netflixは2019年から海外市場を分割して、発表するようになりました。その前の2年分も合わせた数字がこちら。「欧州・中東・アフリカ」地域だけでもアメリカに匹敵する会員数があります。

 

アメリカの伸びが半減

会員増加数を見ると、2019年はアメリカ国内が大きく減速しています。これは2019年1月の値上げの影響が大きい。2019年末にはDisney+やApple TV+も参戦し、競争が激化している背景もあります。

 

地域オリジナル作品が全世界へ

先述のブログのように、ニッチジャンルは国ごとのファンは少なくても、全世界ではそれなりの数になります。

アメリカ以外の地域の作品が、ローカルだけでなく全世界で視聴者を獲得する。音楽配信で、ラテン音楽が全世界的ヒットになるのと似た現象が起きるのではないでしょうか。これが実現できれば、DisneyやHBOにはない作品のバリエーションが作れるはず。

メジャー級から多様なテーマまでオリジナル作品を手掛けるNetflixの戦略は、しばらく続きそうです。

 

参考

Netflix Investor Relations

Deadline.com『Netflix To Enter Original Programming With Mega Deal For David Fincher-Kevin Spacey Series ‘House Of Cards’

Wired『Netflixのドラマ「全裸監督」は、なぜ世界で求められたのか

マイケル D. スミス (著), ラフル テラング (著)『激動の時代のコンテンツビジネス・サバイバルガイド

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